爽やかな朴葉の香りが漂う、田植え仕事の力の源
~朴葉飯~

爽やかな朴葉の香りが漂う、田植え仕事の力の源~朴葉飯~

勝山で受け継がれる郷土料理。
今回は「朴葉飯」をひもときます。

朴葉飯(ほおばめし)はもともと5月の田植えの時期に、おやつとして食べられていたもの。
二枚の朴葉を十文字にし、炊きたて熱々のご飯の上に、お砂糖とお塩を加えたたっぷりのきな粉をのせて、朴葉で包む。
すっかり冷めた頃には朴葉の爽やかな香りがご飯に移っています。

機械化されていなかった昔の田植えは重労働で、昼食の前に1度休憩を取り、おやつでエネルギー補給をする必要がありました。

「田植えの日はお母さんが夜明け前から朴葉飯をつくって準備していたわね」と教えてくださったのは、
勝山の郷土料理を出す「縄文の里」の酒井幸子さん。
今のように甘い物が豊富ではなかった時代に、甘いきな粉のおにぎりは、農作業をする人々のパワーの源として喜ばれました。
朴葉には殺菌作用があるといわれており、もともと寿司や餅を包むためにも使われていたそう。
冷蔵庫がなかった時代に、寿司や餅を腐らせないように、朴葉で包んだことが朴葉飯にも生かされています。
しかも、食べ終わった後に捨てても、朴葉なら自然に還るだけ、とエコなのもポイント。
昔の人の知恵はすごいですね。
朴葉飯に使う朴葉は5~6月頃のものが最適。勝山市内でも立派な朴の木を見ることができます。
きな粉はたっぷりかけるのがおすすめ。つくった後、時間を置くほど朴葉の香りが移り美味しくなります。

材料(2人分)

朴葉・・・4枚
炊きたてのご飯・・・300g(お茶碗2杯分)
きな粉・・・大さじ2
てんさい糖または砂糖・・・大さじ1
塩・・・少々

手順

1、きれいに洗った朴葉2枚を、1枚は裏、もう1枚は表向きにして十字に重ねます。
2、きな粉・砂糖・塩を混ぜます。
3、朴葉に②を広げ、炊きたてのご飯150gをのせ、上からも②をかけます。
4、朴の葉を内側→外側の順に折り、形を整えつまようじでとめます。
5、1時間ほど蒸らすと、朴葉の香りがご飯に移り完成です。

Special Thanks:縄文の里さん

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)