想い出のある「駅」はありますか?
~えちぜん鉄道 発坂駅~

想い出のある「駅」はありますか?~えちぜん鉄道 発坂駅~

11月の朝は吐く息が白い。
今朝の発坂駅にも、いつものメンバーがホームに立っている。

福井のローカル線、えちぜん鉄道。
私が子供のころは京福電鉄だった。
勝山市内いくつかの駅の中で、駅員がいるのは最終の勝山駅のみ。
わたしの馴染みの発坂駅は、今では無人駅になっている。

わたしの祖父はかつての京福電鉄の職員だった。
福井市の駅に毎日電車通勤していて、いつも同じ時間に出勤し、同じ時間に帰宅する。
わたしと弟はいつもの時間になると、家を飛び出し忠犬ハチ公のように発坂駅で祖父の到着を待つ。
祖父と家までの道のりをおしゃべりするのも楽しかったけれど、本当のお目当ては・・近くのお店でお菓子を買ってもらうこと(笑)

祖父が退職しいれかわるようにわたしが電車通勤。
福井行きのホームは駅舎と反対方向なので線路を渡る。
ふと漂ってくる線路の独特の匂いと枕木が大好き(笑)

天気が良い日はホームから白くなった白山がとても綺麗に見える。
子どもの時から変わらないそんな風景が、出勤前の重い足どりを少し軽くしてくれた。

「カンカンカンカン」
踏切が閉まる音が聞こえる。

電車が入ってきた。いつものメンバーで乗り込む。

発坂駅はわたしのルーツのひとつなんだと思う。

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