松田優一さん(プログラマー)
「勝山には何もない」って言葉は裏返せば「自分のなかに何もない」のと同じ

松田優一さん(プログラマー)「勝山には何もない」って言葉は裏返せば「自分のなかに何もない」のと同じ

自分のやりたいことを見つけたら、
どこにいたって動き出せる。

松田さんがプログラミングと出会うまでのことを教えてください

小さい頃は毎日山に行って虫を捕まえたり、ラジコンやミニ四駆で遊んだりしていて、
モーターや部品を改良しているうちに電気が面白いなと思うようになりました。
転機は中学校の頃。
バレー部だったんですが、部活が嫌で嫌で。
当時は何か部活に入らないといけない時代だったので苦痛でしたね。
嫌なことはどんなにやっても身につかないということがわかった3年間でした。
「義務教育が終わったら、自分のやりたいことだけ勉強するんだ!」ってその時に決めたんです。
そこで進学したのが高専(福井工業高等専門学校)の電気工学科。
5年間寮生活でしたが、授業は楽しいし大学受験もないから時間もたっぷりある。
最高の環境でした。
寮ではパソコンでプログラムも組んでいる仲間もいて、みんなで競いながらつくっているうちに
自然と覚えていきました。

プログラミングを子どもたちに伝えるようになったきっかけは?

24歳の時に大学の仲間と会社をつくり、29歳の時に今の会社を立ち上げました。
ソフトウェアやゲームをつくるなかで、いつか子どもと一緒にプログラミングがやりたいと思っていたんです。
長男が10歳になったのをきっかけに一緒にプログラミングをスタートするようになりました。
そのうち休日に会社を開いてほかの子どもたちにもプログラミングを伝えるようになり、
今は国内海外を飛び回っています。
先日はネパールの子どもたちにプログラミングを伝えてきました。

子どもたちと接しているなかで、一番嬉しいことは?

勝山でも5年ほど前から定期的に活動していて、今は15人ほど通ってくれています。
物静かな子や引っ込み思案な子でも、自分の興味がグッと深まる瞬間があって、
それを見つけられた時は嬉しいですね。勝山の子どもも、海外の子どもも同じ。
やりたいことを見つけられた子どもたちの姿はすごく積極的でキラキラしています。

ご自身の経験を通して、若い世代に伝えたいことはありますか?

子どもたちを見ていると、ただ勉強をするだけの時代は終わったなぁと思っています。
やりたいことや学びたいことがあるのに、好きでもない部活や宿題をやってるくらいならやめちゃえばいい(笑)。
やりたいことなんてないっていう人も、まずは自分自身を観察してみることから始めてみてください。
よく「勝山には何もない」って言葉を聞くこともありますが、それは裏返せば「自分のなかに何もない」のと同じ。
自分のやりたいことを見つけられた人は、勝山にいても、世界中どこにいても動き出せますから。

Profile:松田優一 株式会社ナチュラルスタイル代表取締役

勝山市出身。
福井高専で電気工学を学び、福井大学に編入。
卒業後は大学の仲間と会社を立ち上げ、
2006年に(株)ナチュラルスタイルを設立。
ソフトウェアやアプリの制作などを行う傍ら「PCN勝山」の活動を通して子ども達にプログラミング体験の場を提供している。
株式会社ナチュラルスタイルHP https://na-s.jp/

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