中村章浩さん(ヘアスタイリスト)
「今のこのときを楽しんでほしい」

中村章浩さん(ヘアスタイリスト)「今のこのときを楽しんでほしい」

東京はいいところ。
でも、今しかできないことを大切にしてほしい。

中村さんが美容師になるまでのことを教えてください。

高校3年生で進路を決めるときに、就職も進学もどちらも乗り気ではなかったんです。
それなら美容学校にでも行こうかなと、軽い気持ちで東京に行きました。
でも、当時は田舎から出て来たこともあり、東京のどこが美容のメッカなのかも知らなくて・・・。
「週休2日制の美容室」に絞って就職先を探していたところ、たまたま入ったのが青山の有名店でした(笑)。
そこで経験を積み、現在はAbbey2というお店で毎月500~600人以上のお客様の髪を切らせてもらっています。

トップスタイリストとして活躍するまでには、
大変なこともあったと思うのですが・・・。

これまでを振り返ると、正直、大変だったと思うことはないんですよ。
でも、「相手がどんなことをしてもらったら嬉しいか、どんなことを言ってもらったら嬉しいか、
どんなことを言ってもらったら気持ちがよくなるか」を人一倍考えていました。
例えば、先輩から注意されたときにブスッとしていると、注意した方もいい気持ちはしないですよね。
でも逆に、「明日から頑張ります!見ておいてください!」と言うと、先輩も注意してよかったなと
思ってくれるはずです。
そうやって接する相手に気分良く過ごしてもらうことを常に心がけていたので、アドバイスをもらえるチャンスが
人より多かったのかもしれません。

福井から東京に出て、どんなことを感じましたか?

高校までは、出会う人が限られていたように思います。
知っている職業もわずかでしたし、東京に行くまで「広告代理店」や「ITコンサル」なんて
聞いたこともありませんでした。
美容師という職業は、毎日さまざまな人と出会えるのがいいところ。
お子さまもいれば高齢の方もいますし、今のお店には芸能人やモデル、一流企業の社長も来られます。
髪を切りながらいろんなお話を聞かせていただくと、まだまだ自分の知らないことが多く、世界が広がりますね。
東京に来て感じるのは「情報のあるところに人が集まる」ということ。
今はインターネットもあり、どこにいても情報が手に入るので、福井だから何もできないということは
ないと思います。

勝山の若者に伝えたいことはありますか?

”今のこのときを楽しんでほしい”と伝えたいですね。
高校の時、部活よりもバイトがしたいと母に言ったことがあったんです。
すると母が「バイトでいくら稼ぐつもりなの?」と聞くので、3万くらいかな・・・と答えたら、
3万あげるから部活を頑張りなさいと言われました。
今思うと、あの時部活をやっておいてよかったなと思います。
だって卒業したら嫌でも働けるし、部活でしかつくれない思い出もありますから。
これから先、地元で暮らすか県外に出るか、いろんな選択肢があると思いますが、
今しかできないことを大切にしてほしいですね。

Profile:中村章浩 ヘアスタイリスト・有限会社アビー取締役

勝山市出身。高校卒業後、東京の美容学校に進学。
青山のヘアサロン「PEEK-A-BOO」で美容師として経験を積んだ後、2007年表参道・北青山に「Abbey」、2009年に「Abbey2」を
オープン。
芸能人やモデルなど著名人のサロンワークを手がけるほか、
アーティストのCD、プロモーションのヘアメイク、CM・広告の
ヘアメイクなど広範囲で活躍している。

Information:Abbey2

東京都港区南青山4-21-26 RUELLE青山―A棟3F
03-3405-6655
http://www.abbey2007.com/

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