多田治樹さん(国家公務員)
「いろんな世界があっていろんな大人がいて、いろんな価値観がある」
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いろんな世界を知ることで
勝山の良さが見えてくる。
多田さんは普段
どんなお仕事をされているんですか?
国土交通省に所属し、今は内閣府に出向して地方分権改革推進室の仕事をしています。
簡単に言うと、いろんな地域で制度を使いやすくするために、関係省庁と調整する仕事です。
例えば東京はタクシー会社がたくさんあり、地方では1社しかないような地域もあります。
こうした場合に全国で同じルールにするのではなく、地域の事情にあわせて地域が自由に取り組めるよう
制度を見直そうという取り組みです。
特に最近は、世の中の早い変化や地域の特性に合った制度づくりが求められているなと感じています。
小さい頃から国家公務員になりたかったのですか?
今では、やりがいのある仕事を幅広く経験できる国家公務員の仕事に魅力を感じていますが、小さい頃には、
そもそも国家公務員の仕事を知りませんでした。
高校三年生の夏までは野球に夢中でしたし、大学進学や将来の仕事に対する情報や身近なロールモデルも少なく、
具体的な目標を持ちにくかったと思います。
でも、高校の先生から「田舎を理由に自分の可能性を閉じるなよ」と言われ、改めていろんな可能性を考えたとき、
思い浮かんだのが建築でした。
小学生の時に身近で見た大工さんの仕事がかっこよかったんです。
その後、興味は建物からまちづくりに広がり、大学・大学院では都市計画を専攻。
そこで行政の役割を深く知って、行政の立場でまちづくりに携わりたいと思い、今の仕事に就きました。
ご自身の仕事のなかでのターニングポイントは?
2年間出向した鳥取県庁時代です。
それまで鳥取のことは何も知らなくて、休日になるといろんな場所に顔を出していたんです。
すると、地域ごとに魅力的な人がいて、応援したくなる取り組みをしていることを知りました。
でもそこに住む地元の人にはほとんど知られていない。
これって、福井や勝山も同じだなと思いました。
実際に私も福井のことはほとんどわかっていなかった。
だからもっと知りたいと思い、ここ数年あらためて地元を見つめ直しています。
すると、福井にも面白い取り組みをしているプレイヤーが沢山いるんですよね。
そんな人達とのつながりも出来ました。
地元の魅力ってどうすれば見つけられるんでしょう?
昔はキラキラした都会から地元に帰る度に「真っ暗な空って寂しいなぁ」と思っていました。
でも、今は真っ暗な夜だからこそ引き立つ星の美しさに価値を感じています。
それは外に出たからこそ、わかったことなのかもしれません。
いろんな世界があっていろんな大人がいて、いろんな価値観がある。
それを知ることで、勝山もいろんな可能性を秘めていることに気づくはずですよ。
Profile:多田治樹 内閣府 地方分権改革推進室参事官
勝山市出身。
勝山高校卒業後、東京工業大学・同大学院にて都市計画を学ぶ。
1994年に建設省入省。
ケンブリッジ大学留学、鳥取県地域振興部長、金融庁市場機能強化室長、国土交通省関東地方整備局建政部長、
国土交通省住宅局安心居住推進課長などを経て、2019年より現職。
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